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日々の破片

著作一覧

2004-11-14

_ 嵐の晩に地獄の蓋があく

昔気質の地主たち 附ヴィー(地妖) (岩波文庫 赤 605-9)(ゴーゴリ)

ヴィーが出てこようとしている(QuickTime Playerで再生可能)。

子供の頃、ゴーゴリのヴィーを(なんかのジュヴィナイル版で)読んだが、次々と主人公の医学生に襲い掛かる不幸と恐怖のずんどこと最後の馬鹿馬鹿しいほどの救いの無さ(魔方陣+魔物+ヴィー+鶏の結果、あまりに汚らわしい状況となって封印されてしまう)で死ぬほど恐ろしかった。

確か、白黒時代に映画にもなっていて(ムルナウじゃないが、ロシア映画なのかなぁ? とっても表現主義的だった記憶があるのだが)これまた恐怖に満ち溢れていた。

キエフ(大都会である)の大学で医学を専攻する学生が、夏期休暇だかなんだかを貧乏なもんで徒歩+野宿で郷里に帰ろうとするのだが、途中の寒村で魔女に出会って死ぬほど怖い目にあう。

その魔女の呪縛からはどうにかこうにか逃げ出せるのだが、それはそれとして一宿一飯の義理のために、(医学生だとばれたので)村長の娘の病状を見ることになると、なんとこの女が件の魔女じゃないか。恐れおののき断ると、義理が裏返って「タダ飯食ったんだから奴隷になるか、病気を治すかどっちかを選択しろ」と迫られる。

かくして恐怖の夜が始まる。

っていような感じだったけど、実際のところはどうだったろうか。

注文の多い料理店 (角川文庫クラシックス)(賢治, 宮沢)

医学生の合理精神と、それを根底から破壊し尽くす田舎に実在する非合理的な日常(理不尽という言葉がまさにぴったりだ)という、(と書いてふと思ったが、ゴーゴリ版注文の多い料理店なのかも)、それだけで読書人(まあ、19世紀ロシアなんだから都会に住む合理主義者であろう)を慄かせるには充分な主題の中に、ロシア文学の巨匠がこれでもかこれでもかと色んなおっかない迷信やら伝承やらを注ぎ込んでいるものだから、怖くないはずがない。

というようなことを想起させるある嵐の夜の記録である。

_ おお、いい言葉だ

やれないことはやらない、やりたくないことは後回しにしてきたのが、Rubyを10年以上継続して開発できた秘訣です。

——[ruby-list:40298]

これは直観的に正しく、しかもRubyの存在によって実証されているわけだし。

問題は、これをリアル(というかビジネスというか)ワールドに適用することが基本的には不可能だということなのだが。

#語られた文脈では「私はこうやって続けてきたわけだから、それから外れるのはリスキーである」という意味になるのだろうから一般化してはいけないんだろうけど、非常に心地良く響く言葉なので一般論にしたくなる誘惑にはかられる。

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_ (2004-11-14 08:36)

そうかあ。そう読んだのか。


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