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日々の破片

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2010-08-18

_ 7世紀

7世紀ってのはどんな時代だろう?

大化の改新645匹ってことは、飛鳥時代で、うまやどのおうじ(なんで変換できないんだろう?)とか、蘇我馬子とか、馬がやたらと日本中を走っていた頃だ。法律としては何があったんだ? 十七条の憲法ってのはあったが、あれはなんというか道徳訓というか社訓というか、法ではなく訓だよなぁ。裁判は熱湯に手を入れるやつとかだ。でも、仏法が伝来して、みんなそっちに帰依しはじめていたりするのかも。

一方、アイルランドでは男女の差別はそれほどなく、どうやら死刑というものはなく、でも金鉱を巡る部族間戦争はあるそういう時代だったらしい。法は賠償による罪との等価交換というか。ローマから坊さんが送り込まれてきて古来の神々からキリスト教に帰依しはじめているというか、ほとんど帰依している。

ムムリクさんが書いていた修道女フィデルマがおもしろそうなので買って、読み終わった。確かに赤毛の一房の決まり文句は印象的。

後書きを読むと、作家(ピーター・トレメイン)は、本来はアイルランドの歴史研究者で、そこで得た歴史を普通の人たちにわかりやすく説明するために、推理小説という形態で物語化しているということらしい。

ということは、おおざっぱには、こういう時代だったらしい。

5つの王国と小さな王国で群雄割拠。でも特別に力が強いところが全土を基本支配。ってことは、周が体をなしていた頃の中国みたいな感じだな。まっとうな法体系が整備されていて、弁護士制度があり、罪に応じた賠償額が決まっている。そこからほーなるほどのような物語も生まれる(犯行動機について)。王様は男に決まりんこのようだが、特にジェンダーが固定されているわけでもなさそうである(が、読んでいると、完全なる職業女性は主人公の他には修道院長(冒険家にして考古学者で、結局は死んでしまうのだが。修道院長は2人出てきて、両方ともあくが強い)くらいしか出てこないから、法は法、現実は現実ってことかも。でも意思決定年齢になれば女性は自分の意思で結婚相手を決定できるというような箇所もあるし、良くはわからないな。

同じような小説は日本でも成立するだろうか?

推古天皇が主人公ってのはともかく、尼さんはいなさそうだしな。というよりも、そもそもまともな法が存在しなければ、弁護士という職業もあり得ず、結局は……、と考えてみたら、それ以前の問題として、実際はどういう時代だったのかわからないというのが正確なところだと気付く。というのは、すべての資料は大化の改新の時に、首謀者の天智天皇が燃やしてしまった(焼き討ちなのか、蝦夷が自ら火をつけたかは重要ではなかろう)からだ。

修道女フィデルマの洞察 (修道女フィデルマ短編集) (創元推理文庫)(ピーター・トレメイン)

それにしても考えてみると、紀元は2600年とか世界で唯一の代々一統とかえらそうな空辞を弄しても、どんな歴史でありどんな国家であったかがまったく明らかではないのだから、ばかげたことだな。言ったもの勝ちというか。(それでも実質7世紀からとしても1300年だから大したものだとは思うけど)

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ ムムリク (2010-08-19 10:17)

楽しまれたようでなによりです。

_ klm (2010-08-19 13:52)

7世紀ならすでに日本にも尼は存在したようです。<br>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BC

_ arton (2010-08-19 14:07)

うぉ、無茶苦茶おもしろいですね >7世紀の尼。留学生でもあるし。

_ arton (2010-08-19 14:16)

というか、善信尼の11歳で法難を受けて14歳で留学って、どえらく昔の人っぽいなぁ(というか6世紀なのか)


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