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日々の破片

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2012-12-12

_ テンペスト(続)

何かで、ある時代まではアガペとエロスのうち前者が存在しない時期があって云々というのを読んだことがあるのだが、テンペストを読むとまさにそんな感じで(実際のところロメオとジュリエットとか、すべてそうだけど)、それはそれで興味深い。

で、プロスペロがフェルディナンドに丸太運びのような力仕事をさせて発散させたり、二人にチェスをやらせてみたりして、どうにか式を挙げるまで引き延ばそうと策を巡らせるのが、実におもしろい。(オペラのほうでは、解放されるやさっさと木陰だか海辺の岩陰だかに行きましょうとか歌いながら行ってしまうのだが、そこは現代風ということだったり)

シェイクスピアは、16世紀中ごろに生まれたわけで、時代的には足利幕府が滅亡して織豊時代に活躍しているわけで、日本でも世阿弥とかがいかにウケを取るか考えてみたり、阿国とかが興行したりしているから、意外なほど東西の文化は近いものだなぁと思ったり。

舞台はバミューダで、そのくせそれ以外は地中海だから(遭難したのはナポリ-チュニジア航路)無茶苦茶なのだが、バミューダ島をイギリス人が発見したのが1502年らしい。なので辻褄はもしかすると合っている(どうやって地中海から大西洋を横断したのかは別問題として、たぶん、シェイクスピアの頭の中ではドーバー海峡以外は地理的な距離を把握していないんだろうけど)。

翻訳は気持ちよかった。特に、「おみごと、おみごと勤勉小僧、きっと自由にしてやるぞ」という科白はツボにはまった。

あらし 研究社シェイクスピア・コレクション(ウィリアム・シェイクスピア/大場建治)


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