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日々の破片

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2014-10-22

_ 黒船に乗ってウォーカーが来る

ウィリアム・ウォーカーは、閑を持て余していた。心の中はイギリス人への憎悪でいっぱいだった。

南北戦争には興味をもてなかった。それよりも、かってニカラグアを支配したときのように、自分が王として君臨したかった。それもかって見たこともない地で。

再度私兵を引き連れメキシコ湾に上陸した時に、アメリカ海軍最大の外輪フリゲート艦ポーハタンを乗っ取ることに成功した。水兵たちは全員、ウォーカーを英雄視しているし、士官たちもウォーカーの実行力には一目も二目もおいていたのだ。ウォーカーはこの船が日本という太平洋を遥か西へ進んだ先にある国へ行ったことがあることを教えられる。

かくしてウォーカーは中米ではなく、東洋を目指すことを決意した。乗組員たちはかって知ったる浦賀へ向かうことになる。3度目の黒船も熱狂的な歓迎を受けた。ウォーカーは幕府を傀儡として日本を支配することを目論む。

その頃、イギリスは長州藩と戦争をしていた。長州はボロ負けしたが、高杉晋作はうまいこと賠償金を幕府へ肩代わりさせる交渉に成功し、イギリスと同盟を結ぶ。このままイギリス海軍の力を借りて一気に討幕だ。イギリス海軍は九州を迂回し黒潮にのって江戸湾を目指す。途中、薩摩の軍艦が一行に加わる。長崎のパークスが坂本龍馬経由でイギリス海軍と薩長連合を結びつけたのだ。

かくして、伊豆半島を舞台に、ウォーカー率いるアメリカ人傭兵部隊+幕府と薩長イギリス連合の日本支配の戦いの火蓋が切って落とされた。


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