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日々の破片

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2020-10-24

_ TENNETを観る

子供とテネットを観に映画館。近場の映画館に行こうとしたら、日比谷シャンテでひつじを食べたいというので日比谷のTOHOシネマに行くことにする。iMAXということで、予約をしようとしたら最前列しか空いてない。やむを得ない。時間の折り合い上あきらめて最前列にした。

で、まあスクリーンがでかい。どう腰かけようが画面全体に目配せして細部まで観るのは不可能だ。まあ。ハリウッドの娯楽映画だから問題なかろうと(どうしようもないことだし)あきらめた。

ら、映画前のiMAXの広告でぶっ飛んだ。映画館で画面酔いしそうになる。とんでもない臨場感ではないか。

というわけで、本編でもカーチェイスのすさまじさ(特にスピード馴れする前までは)に圧倒されまくり。この経験だけで、iMAX最前列は悪い選択ではなかったと思った。

それにしても11年前には埼玉の山奥に行かなければiMAXを観られなかったことを思うと、本当に10年一昔だ。

冒頭、こいつが主役かなと(主演俳優とか知っていればそういう誤解はないのだろうが、知らずに観に行った)観ていた人物があっという間に殺されて退場してしまい驚く。

物語は、主人公視点で一直線に進むフラッシュバックすらない単純な構造だが、いろいろ適当な設定なためおかしな点もある。が、そういう細部を無視すれば、なるほどこれが話題の逆行アクションですか! とか、とにかくカーチェイス(なのかなぁ)のスピード感とか映画っぽい楽しさに溢れてはいる。そう悪くはない。おそらく車の逆走の猛烈な恐怖を映像化したらおもしろいだろうというような発想から生まれた作品ではなかろうか(そういえば夢の中なら天井に立った人間の回転蹴りができるだろうという発想だけから作ったような(と、その映像がどえらくおもしろかったのでそう考えているわけだが)映画の作家だったが、作品名を忘れた)。

ただ、逆行から順行になった最後はどうするのかとか気にならないわけではない。ここまでと決めたところでその時間線から消失して乗り物(なんていう名前か忘れたが逆行機かな)に乗る前にリジュームするのか、それとも日陰を通常の時間に沿って再度たどりなおすのかとか。

あと、1週間前に戻す理由を一言二言しか言わずそれを聞き逃したのでなぜ1週間前に戻るのか不可解で、あとで子供と話して、結局アクションの見せ場を作るのと、救急車の存在地点というのを利用しようということではないかなぁとかに落ち着いた。

組織名が主義(という字幕)なのが不可解だったが、後になって子供が解釈している記事を見つけてきて、TEN対NETだろうということで、なるほどと腑に落ちた。

それにしても、きちんと記録をつければ記録した時点から未来にその記録を元にアクションがとれるという、記録の大事さを強調するラストで、まあ記録の大切さを理解しているからこそ、廃棄しまくる国家という映画的な現実も十分におもしろいと考える。

追記: そういえば、英国のエスタブリッシュメントに主人公が仲介を依頼するところのやり取りはすごくおもしろかった。エスタブリッシュメントが主人公のスーツを見てブルックスブラザーズの服を着た人間は相手にされないぞと言うと、予算の関係だと答える。そこでエスタブリッシュメントが服屋(という字幕だったか仕立屋と訳していたかは忘れた)を紹介しようかと聞くと、ちゃんと知っているところがあるから問題なしと答える。で、シーンが変わると襟が特徴的(むしろかっこ悪いスタイル)だが、どう見てもまともなウールの(おそらくイタリア製の)生地で縫製がちゃんんとした服を着ていて、それが、なるほど服の善し悪しをちゃんと映像化するのはすごいなと思ったし(iMAXの再現力も大きそうだ)、やはり良い生地良い縫製は一目でわかるのだなぁとある種の感動があった。


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