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日々の破片

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2021-05-29

_ 新国立劇場のドンカルロ

素晴らしかった。特にロドリーゴの高田智宏。紫苑物語の宗頼(弓名人)で観たことあったのか。とにかく、声、声量、表現、立ち居振る舞いすべてが立派だ。そういえば宗頼が実に堂々たる宗頼だったのと同じことか。

だから3幕が圧倒的で、妻屋の妻はおれを愛していないに始まって、宗教裁判長(前回は妻屋が歌ったと記憶しているが、バスの対決という音楽もおもしろい)が去った後のエリザベート(小林厚子、ジークリンデが素晴らしかったが、これも抜群。4幕最初も良かったが、2幕(4幕版だといまいち切れ目がわからないが、昼の中庭の後半)も良かった)が出て来て、言い争いからのロドリーゴとエボリ(キウリという人でうまいのだが、どうも霞んでしまう)が入って来てのベルディ得意の四重唱(リゴレットでもそうだが、中心となる二人のそれぞれの思惑のずれと回りで全然関係ないことを考えている二人が入る)が実にスリリングでおもしろい。

コロナのせいで海外招聘歌手よりも日本人(とはいえ普段は欧州で仕事をしているようだから、帰国中ということなのだろうけど)主体になっているのが逆に良い結果になっているようにも感じる。

で、ロドリーゴはカルロのもとに忍び込んで、カルロおれのマブダチを歌い始めるわけだが、圧巻だ(1幕の友情行進曲も悪いものではなかったが)。カルロのジパリという人はどうもあまり好きな声ではないし、ロドリーゴに負けてしまっている。でも4幕ではそう悪くもなかった。

あと、びっくりするほど好演なのが中庭の小姓でなんかすごく良かった。

指揮のカリニャーニは蜘蛛のような不思議な人だが、メリハリつけまくりで好きな音楽だった。

(カーテンコールで三浦を前に呼んだりしていたが、ナブッコでひと悶着あって(ようなことを三浦のサイトで読んだ記憶がある)むしろ良い関係になったのかな)


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