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日々の破片

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2020-08-22

_ 消えたママ友

@kisが無料分を読んだら続きが読みたくなったので結局買って読んだとかツイートしていたのでおれも興味を惹かれて買って読んだ。

幼稚園の仲良しママ友4人組の1人が急に家出したとかで姑さんが子供を連れてくるようになる。

残った3人のママ友生活が始まるのだが、どうもギクシャクしてくる。子供同士のいさかいも増えてくる。いなくなった彼女は性格が良いので4人組のムードメーカーとして実に重要だったのだ。

子供の何気ない言葉一つでお互いの疑心暗鬼や誤解が生まれ、どんどんお互いの関係が険悪になっていく。

何不自由ない生活をしていたのに、なぜ彼女は消えたのか? そもそも自分の生活は一体なんなのだ? というか家の子供が心配だ。

ある日、遊園地で消えた彼女を見かけるが、連絡も見つけたほうではなく、別のママ友のほうに行く。一体なぜ?

というような、主婦の疑心暗鬼の物語。

最初はあまりの不可思議さにどんどん読み進めていたが、あまりにくだらないことでいちいち悩む(客観的な情報を多数提出されているのでくだらないと感じるのであって、当人的にはまさに恐怖の現象ではある)せせこましさにうんざりして途中で放り投げていたが、なんとなく開いた結果、結局、全部読んでしまった。おもしろいは確かにおもしろいのだ。

オーメンのような将来禍根を残すのが目に見えている恐るべき子供を暗示させたり、実はいかにも主婦雑誌的なわかりやすい悪役設定の予定調和な結論やら(書き方はそれなりにフェアなので鳥瞰すればどっちもどっちというよりも、むしろ主婦側がおかしいのだが)、最後も含めて、含みをいろいろ残して終わらせているのもそう悪くはない。作品としてはうまくまとまっているのではなかろうか。

作者がクレヨンしんちゃんの親父の女性版みたいな名前だし、絵柄は軽いし、掲載誌はひよこクラブだし、と、先日ブレークしたなぜかパチンコ雑誌に連載された赤塚プロ系のほのぼの絵柄なのにパチンコ依存症の深みにはまっていく親父の恐怖マンガ、連ちゃんパパを彷彿させなくもない。

連ちゃんパパ【合冊版】(1) (ヤング宣言)(ありま猛)

それにしてもロジックがない世界は面倒くさいことだな。

消えたママ友 (コミックエッセイ)(野原 広子)


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